How to choose a studio apartment

東京都心か、地方都市か

不動産投資のリスクはいくつかありますが、最も身近なリスクは部屋に賃借人が入らないリスク、つまり空室になるリスクであることは間違いないでしょう。そのような観点で考えますと、やはりワンルーム・マンションは「人がたくさんいる場所に持つこと」が重要です。以下は2018年に総務省が発表した「都道府県別」の人口増減率ですが、ご覧のように日本国中を見渡しても、人口が増えているのは

都道府県別の人口増減、総務省統計局サイトより
(2018年10月時点の都道府県別の人口増減、総務省統計局サイトより)

  • 東京都(+0.72%)
  • 沖縄県 (+0.31%)
  • 埼玉県 (+0.28%)
  • 神奈川県 (+0.20%)
  • 愛知県 (+0.16%)
  • 千葉県 (+0.14%)
  • 福岡県(+0.01%)

以上1都6県しかありません。

都道府県別の人口増減、総務省統計局サイトより
(2018年10月時点の都道府県別の人口増減、総務省統計局サイトより)

そのような点から考えますと、やはりワンルーム・マンションを買うなら東京。なかでも東京のど真ん中に位置する都心5区(新宿区、渋谷区、中央区、千代田区、港区)ということになるでしょう。

「一方で東京の不動産は高すぎるので地方に買いたい」という声も時々耳にします。結論から申し上げますと私は賛同いたしません。

理由は以下の通りです。

  • 地方の物件は価格が安いが賃料も低い
  • 地方物件は空室が多く、実質的な収益率は低くなる
  • 一方で修繕費やクーラーや給湯システムなどの価格はほぼ全国一律
  • メンテナンス費用控除を考慮した手取りでは、東京のほうがかえって高くなる可能性がある

つまり地方物件の収益率が高いのは、それだけの収益率を得なければ、買い手がつかないからだといえるでしょう。

現在のワンルーム・マンション相場は割高か

一方でこのところ「東京のワンルームはすでに随分と値がりした、バブルではないか?」との声も聞こえてくるようになりました。でも、私は現状の相場は決してバブル的な高値ではないと思います。

不動産の割高感を測る指標として「ネットの収益率」があります、これは各種保険料や税、あるいは管理費および積立金を控除した後の、オーナーが得る年あたり収益率を指しますが、直近の都心案件をみると4%前後で落ち着いているように見えます。

果たしてこの「ネットの収益率」4%は低過ぎるのでしょうか?

もし低すぎるなら、それは賃料に比べ物件価格が割高であることを示していますし、逆に収益率が高すぎるなら、物件価格は割安です。

例えばアジアの諸都市と比べるとどうでしょう、香港やシンガポール、上海などの「ネットの収益率」は2%前後まで低下しており、これは明らかに低すぎる(物件価格が高すぎる)と思います。「ネットの収益率」2%といえば投下資金を回収するまで50年もかかります、そういえば1980年代の終わりごろ、わが国の不動産バブルが崩壊する直前、東京のワンルーム・マンションの収益率は2%前後まで下がっていました。当時の東京や現在のアジア主要都市と比べると、現在の都心の相場は健全な範囲にあるといってよいのではないでしょうか。

新築 VS 中古

では私たちが都心のワンルーム・マンションに投資しようと考えた場合、新築が良いのでしょうか、それとも中古を買うべきなのでしょうか。

わたしたそれぞれ一長一短あると思います、順を追って説明させていただきましょう。

新築の長所と短所

まず価格が高いという点は、新築物件の短所として挙げるべきだと思います、不動産販売会社が新築案件を発売する際は、物件の原価(土地代および建築費用など)、販売会社の利益に加え、販促費(これをSGAと呼びます)が上乗せられることになりますが、一般にSGAの割合は物件価格の20%などと言われます。つまり皆さんが新築案件を買った瞬間に、その物件の価値は20%ほど下がることになるのです。

二つ目の短所として売りに出される数が少ないという点です、特に都心部ではワンルーム・マンションの用地の取得が困難で、購入者側からみれば選択肢は決して多くはありません。

一方で新築案件には長所もあります。

例えば計上できる減価償却費の範囲です、ワンルーム・マンションでは建物(47年償却)に加え、設備(15年償却)の減価償却費を毎年の経費として計上することができます。特に設備の償却期間は15年と短いため、設備にかかる減価償却費の計上は、新築物件の“特権”といっても言い過ぎではありません。

次に挙げたいのは物件の稼働年数の長さです。鉄筋コンクリートの構造物の物理的な耐用年数は80年などとよく言われますが、ムリなく稼働して収益を生む期間は50年から60年ほどではないでしょうか。新築物件はまるまるこの50~60年にわたり収益を生んでくれますので、長期にわたり一定の収入を得ることができます。

中古物件の短所と長所

中古物件の短所と長所は新築物件の裏返しですが、おおむね以下のようにまとめることができます。

短所:稼働年数が新築に比べ短い点、特に30歳代以下の方にとっては一生持ち続けることができないという前提、つまり買い替えを前提に購入するべきではないかと思います。二つ目は計上できる減価償却費のうち、設備部分は期待できません、特に法人名義で所有される場合は、利益計画にその点を反映したうえで購入してください。

長所:物件の選択肢が新築に比べ格段に広くなり、これは大きな長所といってよいでしょう。また物件価格に販売会社のSGAは含まれておりません、ですから新築案件のように買ったとたんに含み損が生じることはありません。

上記のように新築・中古それぞれに長短ありますので、ご自分のご年齢や資金計画、あるいはライフプランなどを考慮したうえでお決めになるとよいでしょう。なお弊社では、その様な点をふまえたうえで、不動産投資のアドバイスをさせて頂いております。

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