How to choose an apartment

ワンルーム・マンションVS 一棟もの

富裕層の方から「ワンルームと一棟もの、どっちがいいでしょうか」というご質問をいただくことがあります。一棟ものを選択される方も、すべて手持ちの資金でお買いになる方は稀で、大半の方は融資を前提に購入を検討されることになります。

昨年はシェア・アパート「かぼちゃの馬車事件」があり、一般のサラリーマンの預金情報を偽造し、過剰な投資に誘導する悪徳業者や銀行の行動が問題になりました、このような偽装は論外ですが、実際に一棟ものを購入できる資金をお持ちの方の場合はどうなのでしょう。

そのような観点で一棟もののマンションやアパートは、以下のようないくつかの問題点があるように思います。

相続における問題

ワンルームを複数お持ちの方の場合、あらかじめ相続人ごとに物件をわけることができますので、比較的問題は起きにくいといえるでしょう。一方で問題は、例えばお子さん二人に対し物件が一棟しかないというケースです。特に不動産以外に大きな相続資産がない場合、物件を換金して分ける以外に解決策はなく、相続発生後に問題が生じる可能性が高いといえるでしょう。

物件の地理的偏りと過剰な借り入れ

当然ながら一棟物件の場合、すべての部屋が一か所に集中することになります。地震など天災があった場合のリスクも偏りますし、特に郊外のアパートなどを価格の安さと収益率の高さにひかれて購入したん場合、空室を埋めることが難しくなり、不動産経営が破綻して物件売却を迫られるといった悲惨な結果を招く恐れがあります。これに対し、都心のアパートや一棟ものマンションには空室のリスクはありませんが、逆に物件価格が高額になるため、資産規模に比べ過剰な借り入れを起こす必要が出てくるでしょう。

はたしてそこまでして不動産投資を行うべきでしょうか・・・もちろん十分な資金があるのなら問題はないのですが、過剰な借り入れを起こしてまで不動産を購入する必要があるか否か、一度以下のようなライフプランからおカネの流れ(「キャシュフロー」)を試算して、考えてみることをお勧めいたします。なお、弊社のアドバイス(「資産運用設計」)はこの「キャシュフロー表」の作成も含んでおります。

「キャシュフロー表」のサンプル

(金額の単位:万円)

  現在 1年後 2年後 3年後 4年後 5年後 6年後 7年後 8年後 9年後 10年後 11年後 12年後 13年後 14年後 15年後
西暦 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027 2028 2029 2030 2031 2032 2033 2034
令和 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
年齢 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57
40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55
子1 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27
子2 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25
 
支出 基本生活費 300 300 300 300 300 300 300 300 300 300 300 300 300 300 300 300
住宅リフォーム 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
保険関連費 42 42 42 42 42 42 42 42 42 42 42 42 42 42 42 42
住宅関連費等 180 180 180 260 260 260 260 260 260 260 260 260 260 260 260 260
住宅賃借料 条件:購入額4500万円、うち1000万円頭金、残金は15年(年利1.5%)固定
固定資産税・その他 10 10 10 30 30 30 30 30 30 30 30 30 30 30 30 30
固定資産税上乗せ
レジャー関連費 60 60 60 60 60 60 60 60 60 60 60 60 60 60 60 60
子供のための支出 100 100 100 150 150 150 250 200 250 200 200 150 150 0 0 0
第一子大学受験 第二子大学受験
0 0 230
車購入
0 0 0 0 0 0 0 0 0 230
車購入
0 0 0
その他支出 0 0 0 1,000 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
住宅購入頭金
支出計 692 692 922 1,842 842 842 942 892 942 892 892 842 1,072 692 692 692
 
収入 メイン収入 850 850 850 850 850 850 850 850 850 850 850 850 850 850 850 850
利子配当・賃貸収入等 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
一時的収入 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
年金収入 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
収入計 850 850 850 850 850 850 850 850 850 850 850 850 850 850 850 850
 
年間収支 158 158 -72 -992 8 8 -92 -42 -92 -42 -42 8 -222 158 158 158
預貯金残高 2,500 2,658 2,586 1,594 1,602 1,610 1,518 1,476 1,384 1,342 1,300 1,308 1,086 1,244 1,402 1,560

一方でワンルーム・マンションの一部屋を区分所有し、なおかつ資産規模の拡大に伴って徐々に追加投資するという方法をとる場合、上記で挙げたリスクを避けることができるのです。

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