Column

不動産投資の効用

2019年5月16日

みなさんこんにちは。

不動産投資にはいろんな効果がありますが、
一番わかりやすいのは定期的な収入ではないでしょうか。

例えば都心のワンルームマンションなら、
手取りベースでも一部屋あたり月8万円ほどの家賃が取れます。

人生が長くなったのは良いことだと思いますが、
逆に言えば無収入の期間が伸びているともいえるでしょう。

長い老後を考えると、不動産から得られる不労収入は、
年金と並んで大切な収入です。

私たちが不動産を持つ二つ目の意義は、
資産の分散効果です。

日銀の黒田さんが総裁に就任してからまる6年が経ちます、
その間日銀は大量の紙幣をバラまいてきましたが、
いまだに目標のインフレ率2%達成は見えてきません。

このまま市場にマネーを供給し続けると、
いったいどうなってしまうのでしょうか。

貨幣というものは、その発行元が信頼されて初めて貨幣として
機能するといえるでしょう、逆に日銀が信認を失った時点で、
貨幣は元の紙に戻ります。

今のところ日本円に対する信頼は揺らいでいませんが、
この調子で紙幣の増刷を続ければ、いつの日か日本円に対する信認が崩壊し、
よく言われるような破局が起きないとも言い切れません。

つまりハイパーインフレ、財政破綻、年金停止、健康保険制度崩壊、
超円安、預金封鎖です。

これは膨大な借金を抱える政府にはむしろ好都合かもしれませんが、
私たち国民にとっては最悪です。

あまり考えたくはないですが、不動産はこのような
極端なシナリオへの備えになるでしょう。

不動産を持つ三つ目の意味は相続対策です。

あらためてここで説明は致しませんが、
不動産には相続税の節税効果があります。

ただし不動産なら何でもいいということではありません。

土地に対する相続税の評価は、国税庁が発表する路線価に
基づいて行われますが、都心にゆくほど「時価>路線価」の傾向が強くなり、
買値に対し低い数字で相続税が計算されることになります。

皆さんがお持ちの物件を賃貸にすればさらに相続税は減ります、
大雑把に申し上げますと、都心のワンルームマンションなら、
時価の1/3ほどに相続税評価額を圧縮できると考えてよいでしょう。

一方で不動産にはいくつかの問題もあります、
世の中いいことばかりではないのです。

まずは投資額の大きさです。

株や債券なら小額から投資できますが、
不動産の場合は決して気軽にというわけにはゆきません。

中古のワンルームマンションですら、都心部の良い物件なら
2000万円以上の予算を見ておかなければなりません。

融資を受け、わずかな頭金で買うこともできますが、
最近では銀行の融資姿勢も厳しくなりました、自己資金が少なくても
貸してくれるのはノンバンクだけです。

ノンバンク融資の利率は2%近くにもなりますが、
一方で都心の築浅ワンルームの収益率は手取りベースで4%ほどです。

その4%のうち2%ほども貸し手に取られるなら、
いったい誰のために投資しているのかわかりません。

しかもノンバンクの融資は変動金利です、
今は日銀の低金利政策により異常な低金利ですが、
それもいつまで続くかわかりません。

日銀の政策が功を奏した場合、金利は正常化、つまり上昇するでしょう、
逆に日銀の政策が失敗し、日本円の信認が低下するのなら、
金利の急騰が待っています。

いずれにしても、日銀によって人為的に造られた現在の低金利状態が、
むこう20年も30年も続くとはおもえません。

不動産会社や一部のアドバイザーの言葉を鵜呑みにし、
頭金10万円でワンルームマンションを買うのは危険です。

100%手持ちの資金で買うべきだとは申しませんが、
資産全体のバランスを考えたうえ、どの程度の資金を
不動産に配分するか冷静に決めるべきではないでしょうか。

不動産投資の二つ目の問題点は、
地震や洪水、津波など天災に見舞われるリスクです。

詳しくはここでお話ししませんが、
頭に入れておくべきだと思います。

あらゆる投資には表と裏があります。

不動産投資はいくつかの効用がありますが、
このように気をつけなくてはならない部分もあるのです。

ご自分の年齢やライフプラン、相続に対するお考えなどから、
まず資産全体のバランスを考えることが重要ではないかと思います。

そのうえで不動産への配分額を決めること、
そして次に決めるのは融資を活用すべきか否か、
もし融資を受けるなら、どの程度の部分まで融資によってカバーするのか。

本来の不動産投資は、
このような流れにそって検討を進めるべきではないでしょうか。

そして最後の最後に考えることが、
どこから買うか、どの物件を買うかです。

では今回はこのへんで。

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